仮想通貨の節税対策

村上 裕一
この記事の監修

村上裕一公認会計士事務所
代表 村上裕一

大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。
仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。

query_builder 2021/06/26
仮想通貨
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こんにちは。公認会計士・税理士の村上です。


本日は、多くの方が興味のある「仮想通貨の節税テクニック」について解説します。


仮想通貨で多額の含み益が出て、実際に利益として実現すると多額の税金を支払わなければなりません。 税金の資産を計算したらびっくりしますよね。


なので、有効な節税策を考えたいところです。 ですが、予め申し上げておきますが、いずれもそこまで有効な節税にはつながらないのが現状です。

仮想通貨の節税対策

算入できる経費を計上する

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それではまず、節税の基本となりますが、経費を計上することになります。


経費とは必要経費のことです。


収入―必要経費=所得 となっており、この所得の金額に応じて税率を乗じることで税金金額となるためです。


そのため、必要経費が増えるほど、所得を減らすことができ、税金を減らすことにつながるのです。


経費の範囲については、当たり前ですが、何でも認められるという訳ではありません。


特に仮想通貨投資の経費の範囲はかなり限定的となります。


詳細は下記ブログに記載しています。 ブログ「仮想通貨の税金計算における経費の範囲



基本は、①直接計上できるもの ②按分計算が必要なものの2種類に分けられます。



直接計上できるもの
 

 売却等を行った仮想通貨の取得原価

 売却の際に取引所に支払った手数料

 仮想通貨投資のためのセミナー参加費用・書籍導入代金等

 (マイニングを行っている場合)マイニング用に購入したPCの代金(※)

(クラウドマイニング)クラウドマイニングの加入費用(※)


(※)按分計算が必要になる場合あり



按分計算が必要なもの

 インターネットやスマートフォンの利用代金

 10万円未満のPC購入費用(※)

 仮想通貨投資を行っている自宅の家賃

 仮想通貨投資を行っている自宅の水道光熱費

 

(※)10万円以上は按分計算が必要になる場合あり



となります。



法人設立を検討する

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https://ur-buddy-cpa.com/blog/cryptocurrency/houjin-setsuritsu


次に法人設立を検討した節税スキームとなります。


法人設立のメリット・デメリットについては以下のブログを参照いただければと思います。


ブログ「法人を設立して仮想通貨の税金を下げるのは可能か?



こちらですが、現状以下の点から、法人設立にはみなさんが思っているほどは有効性が低いのが現実です。



法人設立がそこまで有効ではない理由

 ①個人名義で所有している資産の売却益を法人に計上することはできず、個人名義の資産を法人へ譲渡等しなければならないこと

 

 ②法人税の税率でのメリットを享受することができたとしても、法人のお金は個人のお金として自由に使うことはできないこと 



以下、詳細について説明します。


まず、①ですが、個人名義の資産の売却益を法人に計上することはできません


なので、個人名義から法人名義に変更する(仮想通貨を譲渡する)必要があります。当該譲渡を行う時点において、個人で課税対象となる所得税が発生してしまうのです。


また、一人会社であれば個人から法人への譲渡を低い価格で譲渡するというやり方もありますが、税金の計算においては、「低額譲渡」の要件があり、時価より著しく低い価格での譲渡をしたとしても、時価に近い水準で譲渡したものとみなされるのです。


結果として、現在含み益を抱えている仮想通貨の利益を、そのまま法人の利益にすることには制約があるのが現実です。


 

次に、②ですが、一旦法人の利益として法人税を支払ったとしても、そのお金は法人のお金であり、個人で自由に使うことはできず、制約がかかります。


仮に、給料や役員報酬として法人から個人にお金を移したとしても、そのお金は所得税の対象になります。


海外移住を検討する

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最後に、海外移住について解説します。


海外移住については、下のブログでも解説しています。

ブログ「仮想通貨の高い税率を逃れるための海外移住は有効か


日本だと仮想通貨投資の税金は累進課税の対象となっており、15%~55%の高い税率となっているのですが、海外だと株式投資と同じキャピタルゲインに含まれており、20%程度の税率で済む場合もあり、その意味で海外に移住するのも一つの有効性があります。


海外移住ですが、上記ブログでも解説していますが、ほとんどの場合において有効性が低いというのが結論です。


基本的に日本の非居住者となれば、日本の所得税を支払わなくても良いのですが、日本の非居住者となるにはハードルが高いのが現状です。


ブログでも解説していますが、

・海外での暮らしに慣れていること

・日本での暮らしに未練がなく、もう日本には滞在しない(旅行程度のみ)という意志がある

といった一部の方にのみ有効な対策になります。



仮想通貨投資の節税対策まとめ

有効な対策は少ないものの・・・

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以上が仮想通貨投資を行っている場合の節税対策となります。


結論としてですが、なかなか有効な節税策がないのが現状です。


ですが、ご自身の投資状況や含み益状況を勘案した上でベストにマッチする節税対策も存在するかもしれません。


弊社でも、仮想通貨投資の税金に詳しい税理士として、節税対策のご提案もしておりますので、ご興味あれば是非弊社にお問い合わせください。



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