大手監査法人での監査実務、事業会社の経理財務、税理士法人の勤務を経た後、村上裕一公認会計士事務所を立ち上げる。
仮想通貨の税金を専門とする税理士として、仮想通貨の様々な税金のご相談や顧問を手掛け、多くのお客様の仮想通貨の税金のお悩みを解決しています。
仮想通貨のFXは税金に注意!
村上裕一公認会計士事務所
代表 村上裕一
こんにちは。公認会計士・税理士の村上です。
本日は、「仮想通貨FXの利益にいて」解説します。
たまに間違われる方がいらっしゃるのですが、仮想通貨のFX取引は、通常のFXとは別の計算となっています。
そのため間違って計算すると税金の見込み額がかわるので留意が必要です。
仮想通貨FXの利益について
FX取引とは
そもそもですが、FXについて解説します。
FXとはForeign Exchangeのことを指しており、「外国為替証拠金取引」とも言われています。
通貨と通貨を交換することを指しており、日本円と米国ドルを交換するような行為もFXとなります。
FXの大きなポイントとしては「レバレッジ効果」があります。
これは、少額で大きな取引を行うことができることを意味しており、取引額の一部に相当する証拠金を預けるだけで外国為替の取引を行うことができるのです。
レバレッジ効果は魅力的ですが、その分ハイリスクになっています。そのため、ハイリスク・ハイリターンの投資形態の一種ともいわれています。
また、仮想通貨のFXとは、上記のFXと異なり、仮想通貨の証拠金取引となります。
具体的には、初めに証拠金を預け入れ、その金額の5倍、10倍といった倍率をかけることで、少額投資で多額の取引を行うことができるのが仮想通貨FXとなります。
FX取引の税金計算の概要
まず、FX取引の税金計算上の分類ですが、以下のようになっています。
FXの区分 | 税金計算 | 実際の税率(※) |
国内FX業者を利用 | 雑所得の分離課税 | 20% |
海外FX業者を利用 | 雑所得の総合課税 | 15%~55% |
仮想通貨のFX取引 | 雑所得の総合課税 | 15%~55% |
(※)復興特別所得税を除く
上記を見ていただければわかるかと思いますが、海外FX業者と仮想通貨のFX取引は同じ区分になっており、所得金額に応じて15%~55%と高めの税率になっているのです。
綜合課税とは
では、仮想通貨FX取引や海外FX業者を利用した際の税金として計算される「総合課税」とはいったい何でしょうか?
総合課税とは、対象となる所得をすべて合算して、その合算後の所得に対して税率を乗じる課税となります。
総合課税の特徴は、何といっても税率が高いというところです。
所得の金額に応じて、利益が決まってくるのですが、総合所得の税率は15%~55%です。 つまり、利益が高いと半分以上が税金となるのです。
要は仮想通貨FXは仮想通貨と同じ
ここで勘の良い方ですと気付かれたかと思いますが、仮想通貨の取引も雑所得で総合課税の対象です。
まとめると、以下のようになっています。
取引の区分 | 税金計算 | 実際の税率(※) |
国内FX業者を利用 | 雑所得の分離課税 | 20% |
海外FX業者を利用 | 雑所得の総合課税 | 15%~55% |
仮想通貨のFX取引 | 雑所得の総合課税 | 15%~55% |
仮想通貨の売買等取引 | 雑所得の総合課税 | 15%~55% |
つまり、仮想通貨投資の取引と仮想通貨FXの取引は税金計算上は全く同じ分類になっているのです。
そのため、仮想通貨内の内部通算が利用できます。
例えば、仮想通貨投資で利益100万出て、仮想通貨FXで損失が30万円出た場合、雑所得の総合課税として申告するべき金額は純額である70万円となるのです。